子供には大学は海外留学してほしい!と思う親も多いはず。
でも、留学はかなり高額の費用がかかるし、ローンの返済や老後資金も貯めないといけない
そんな中、留学をさせてあげることはできるのでしょうか。
正社員共働き夫婦なら可能です。
今回は、子供を留学させつつ、老後資金を貯める方法について詳しく解説します。
大学留学の費用
国/大学 | 学費 | 滞在費 | 合計 |
---|---|---|---|
アメリカ カリフォルニア大学 ロサンゼルス校 |
US$43,482 | US$16,625 | 約655万円(US$1=109円) |
カナダ マギル大学 |
CA$21,500 | CA$16,975 | 約312万円(CA$1=81円) |
イギリス ケンブリッジ大学 |
£22,227 | £11,230 | 約468万円(£1=140円) |
オーストラリア シドニー大学 |
AU$43,000 | AU$16,380 | 約457万円(AU$1=77円) |
ニュージーランド オタゴ大学 |
NZ$26,364 | NZ$15,846 | 約308万円(NZ$1=73円) |
大学は4年間ですから、約1,200万円~2,600万円の費用がかかるということです。
授業料や滞在費の他にも、
- 入学試験の受験費用
- 現地までの渡航費
- ビザ代金
- 保険代金
などがかかります。
正社員共働き夫婦に留学資金を用意することは可能!
正社員共働き夫婦は子供の大学留学費用を貯めることは可能です!むしろ、正社員共働き夫婦だからこそ教育費にお金をかけることができ、子供の可能性を最大限伸ばしてあげることができます。
じゃあどのようにするのがいいのか具体的に見ていきましょう。
夫:年収500万円(手取り月24万円、年間ボーナス手取り100万円)
妻:年収240万円(手取り16万円、年間ボーナス手取り20万円、時短勤務中)
児童手当:月1.5万円
生活費(月間支出) | |
---|---|
住宅ローン(残債1200万、28年)30年ローン | ¥32,000 |
管理費(修繕積立、管理費) | ¥17,000 |
水道 | ¥4,000 |
光熱費(電気、ガス) | ¥15,000 |
通信費(スマホ) | ¥7,000 |
食費 | ¥29,000 |
保険(生命保険、県民共済、夫2000円、妻2000円) | ¥4,000 |
インターネット費用 | ¥4,000 |
日用品 | ¥15,000 |
ガソリン代 | ¥10,000 |
駐車場代 | ¥7,000 |
通勤代(電車) | ¥3,000 |
医療費 | ¥4,000 |
教育費積立ジュニアNISA(子供大学用、夫2.5万、妻2.5万) | ¥50,000 |
児童手当(子供定期預金) | ¥15,000 |
確定拠出年金(夫、2.3万、妻2.3万) | ¥46,000 |
積立投資(現在はNISA口座、夫5万、妻5万) | ¥100,000 |
積立貯金(夫2万、妻2万) | ¥40,000 |
合計 | ¥400,000 |
ボーナス支出(年間で計算) | |
---|---|
住宅ローン(7万x2回) | ¥140,000 |
固定資産税(年間) | ¥85,000 |
保険(火災保険、自動車保険) | ¥36,000 |
車維持費(車検、自動車税、メンテナンス、1年平均) | ¥130,000 |
積立投資(現在はNISA口座、年間夫20万、妻20万) | ¥400,000 |
教育費積立ジュニアNISA(子供大学、年間夫10万、妻10万) | ¥200,000 |
帰省、レジャー、家電買換などの雑費 | ¥69,000 |
お小遣い(年間夫7万、妻7万) | ¥140,000 |
合計 | ¥1,200,000 |
家族口座貯金(結婚後、子供が生まれるまで貯金分) | |
---|---|
保育料(無償化が始まる3歳まで、月利用料) | ¥43,000 |
※保育園料は元々の貯金からの取り崩し。
年間の支出を把握する
「今月は急な出費があったから」「イベントが多くて…」など、毎月の支出は一定ではありません。なので、年間で計算してみて、月平均を計算してみましょう。
将来の必要費用を計算する
日本で大学まで進学する場合の教育費総額
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 学習費総額 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
幼稚園~高校まで すべて公立 |
701,841円 | 1,933,860円 | 1,435,662円 | 1,352,586円 | 国立 | 2,143,200円 | 7,567,149円 |
公立 | 2,154,532円 | 7,578,481円 | |||||
私立文系 | 4,003,092円 | 9,427,041円 | |||||
私立理系 | 5,588,192円 | 11,012,141円 | |||||
幼稚園:公立 小学校:公立 中学校:公立 高校 :私立 |
701,841円 | 1,933,860円 | 1,435,662円 | 3,120,504円 | 国立 | 2,143,200円 | 9,335,067円 |
公立 | 2,154,532円 | 9,346,399円 | |||||
私立文系 | 4,003,092円 | 11,194,959円 | |||||
私立理系 | 5,588,192円 | 12,780,059円 | |||||
幼稚園:私立 小学校:公立 中学校:公立 高校:公立 |
1,447,176円 | 1,933,860円 | 1,435,662円 | 1,352,586円 | 国立 | 2,143,200円 | 8,312,484円 |
公立 | 2,154,532円 | 8,323,816円 | |||||
私立文系 | 4,003,092円 | 10,172,376円 | |||||
私立理系 | 5,588,192円 | 11,757,476円 | |||||
幼稚園:私立 小学校:公立 中学校:公立 高校 :私立 |
1,447,176円 | 1,933,860円 | 1,435,662円 | 3,120,504円 | 国立 | 2,143,200円 | 10,080,402円 |
公立 | 2,154,532円 | 10,091,734円 | |||||
私立文系 | 4,003,092円 | 11,940,294円 | |||||
私立理系 | 5,588,192円 | 13,525,394円 | |||||
幼稚園~高校まで すべて私立 |
1,447,176円 | 9,169,422円 | 3,980,799円 | 3,120,504円 | 国立 | 2,143,200円 | 19,861,101円 |
公立 | 2,154,532円 | 19,872,433円 | |||||
私立文系 | 4,003,092円 | 21,720,993円 | |||||
私立理系 | 5,588,192円 | 23,306,093円 |
大学留学の場合の教育費総額:
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 学習費総額 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
幼稚園~高校まで すべて公立 |
701,841円 | 1,933,860円 | 1,435,662円 | 1,352,586円 | ニュージランド | 12,320,000円 | 17,743,949円 |
アメリカ | 26,200,000円 | 31,623,949円 |
教育費以外にかかる費用(中学卒業まで)
子育て費用 | |||||
---|---|---|---|---|---|
出産費用 | 250,715円 | 5歳 | 724,425円 | 11歳 | 858,121円 |
0歳 | 868,818円 | 6歳 | 769,737円 | 12歳 | 858,080円 |
1歳 | 747,516円 | 7歳 | 803,097円 | 13歳 | 940,929円 |
2歳 | 749,799円 | 8歳 | 778,546円 | 14歳 | 977,771円 |
3歳 | 728,650円 | 9歳 | 830,426円 | 15歳 | 938,224円 |
4歳 | 759,484円 | 10歳 | 816,587円 | 合計 | 13,400,925円 |
いくら積立が必要か計算する
アメリカの有名大学に進学する場合を想定してみましょう。
大学の学費と生活費で2,600万円が4年間で必要になります。そうすると、大学入学までの4年間で2,600万円を貯めておく必要があります。

月9万円の積立はどのように?
非課税口座であるジュニアNISAをフル活用するべきです!2023年までで終了しますが、2024年以降は、18歳まで非課税口座で運用するか、途中で運用をやめるか選べます。いずれにしても運用益は非課税なので活用するべき制度ですね!
最大80万×5年 = 400万円です。
高校までの費用はどのように貯める?
高校では思いがけない支出に備える
高校に通っている時は、塾に通ったりなど思いがけない出費も想定しておく必要があります。積立するのは大学費用のみでOKなようにすると家計に余裕が生まれます。この気持の余裕さが大切ですね!
夫婦で教育資金を積み立てていくのは可能か?
高校までの資金は、年間の収支の中でやりくり可能だと分かったので、大きな出費となる大学の費用に焦点を絞ります。
大学の費用を貯めるには、9万円の積立が必要でしたね。9万円を単純に半分で割って、お互いが月4.5円ずつ積立する形にすれば積立可能範囲な数字になってきましたね。
私たちの家計の場合、
- 月2.5万円 × 12ヶ月 = 30万円 × 夫婦分 = 60万円
- ボーナス月 5万ずつ上乗せ × 夫婦分 = 20万円
の合計年間積立額80万円 × 18年 = 1,440万円
児童手当を総額で198万円の受給が可能なので、そのまま積立すると、1,638万円!!
1,638万円は18年後3%の運用を続けると、2,163万円になります!
なので、あと、1.5万円追加をして、月の積立額を7.5万円までに引き上げることができれば大学留学費用4年間分を賄うことができます。
夫婦の老後費用の確保はできる?
正社員共働き夫婦はアドバンテージがある!
40歳の共働き夫婦、夫の年収が500万円、妻が500万円です。お互い60歳までこの年収で働く予定の場合。
夫:月額約15.5万円
妻:月額約15.5万円
夫婦の合計:月額約31万円
生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.1万円となっています。また、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14.0万円となっています。その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で36.1万円となります。 なお、ゆとりのための上乗せ額の使途は、「旅行やレジャー」が最も高く、以下「趣味や教養」、「日常生活費の充実」と続いています。
確かに、孫にお小遣いをあげたり、海外旅行や趣味を思いっきり楽しんだりすることを考えたら、このくらいの金額は必要になるということですね。
年金と合わせると不足分は5万円
結婚してから、子供が生まれ、65歳になり年金生活になるまでに約25~35年ほどありますよね?
65歳になってから100歳まで月々5万円を貯金から切り崩して生活しようとすると、
100歳 – 65歳 = 35年
35年 × 60万(5万円 × 12ヶ月)= 2,100万円の資金が必要になります。
でも、この2,100万円を貯金から切り崩していたら、最終的には全てなくなってしまいますよね…子供に残してあげることもできませんし、貯金は減っていく一方です。
月5万円の配当金を65歳以降ずっと受け取ると?
全世界株式47カ国8000銘柄以上に分散投資できるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を用いて計算していきます。
年間60万円の配当を得るのに必要な資金は、平均配当金を2.5%として米国での課税分10%と国内課税分20%の約72%を受け取れると考えると、2.5%×0.72 = 約1.8%
その配当金を得ることは可能か?
正社員共働き夫婦なら全然可能です!
確定拠出年金をフルに活用する
企業型確定拠出年金が努めている会社にあれば、上限いっぱいまで活用できるように会社に聞いてみましょう。
iDeCoとして決められている上限金額は、企業型DCが導入されている会社にお勤めの場合は月額2万円(年間24万円)、企業型DCに加えて確定給付企業年金も導入されている会社にお勤めの場合は月額1.2万円(年間14.4万円)です。
ですから、企業型DCだけが導入されている会社にお勤めの方で、会社掛金が月額1万円の場合には、iDeCoは月額2万円までとなります。会社掛金が月額4万円と非常に多額だったとしても、同時加入するiDeCoは月額1.5万円まで拠出可能となります。
企業型確定拠出年金がない会社にお勤めの場合は月2.3万円(年間27.6万円)が上限です。
夫婦で年間27.6万円ずつ × 30年 = 1,656万円の掛け金です。
年3%で運用していくと、30年後には2,668万円に!
じゃあいくら上乗せで積み立てることができれば、3,300万に届くのでしょうか?
積立NISAで3.3万円積み立てると
夫婦で年間40万円ずつ×20年 = 1,600万円の掛け金の上乗せ
年3%で運用したとすると、3,828万円の上乗せができます。
確定拠出年金もつみたてNISAもどちらも非課税口座
今回は、所得税控除を計算していませんが、確定拠出年金の場合、所得控除が年収500万円の人で30年間合計で150万円ほどあります。
どちらも運用益に税金はかかりません。
なので、2,668万円 + 3,828万円 = 6,496万円もの資産を65歳までに築くことができます。
6,496万円 × 0.018 = 約116万円(月々9.7万円の配当金)を得ることが可能になります。
500万ほど大学費用が不足していたので、そちらに回せますね。それでも、配当での生活は確保できます。
まとめ
子供を留学させるために大学費用を夫婦の貯金から賄うことは可能です。また、子供を大学留学させた上で、配当金の収入でゆとりがある生活のための不足分はカバーできますので、貯金を取り崩す必要はなくなります。
- 夫婦で合計月6万円(年間72万円)の積立投資で65歳からは月5万円の配当収入(3%で運用)
- 留学資金は夫婦合計月7.5万円(年間90万円 + ボーナス20万円 = 年間110万)の積立投資で大学留学費用4年間の2,600万円準備可能(3%で運用)
こう計算していくと、気持ちに余裕が生まれますよね!正社員共働き夫婦なら可能なんです!
この分を先に確保して、残ったお金で生活したとしても(例えば、夫婦合計手取り40万円 – 13.5万円(7.5万円 + 6万円の積立)= 26.5万円)、この26.5万円で生活することは十分に可能ですし、ちょっと多いくらいですよね!
家計のポイントをどこに当てるかで見え方が変わります!
これからますます国際派の流れが強くなってきますし、国際社会でビジネスなど対等に渡りあっていかないといけません。
子供を留学させるのは、可能性を最大限に引き出してあげることができる親の最大の支援だと思います。
正社員共働き夫婦だからこそ、できる支援をする、その準備をしておくことは重要だと思います。